八重山上布 九寸名古屋帯です。石垣島織物事業協同組合の証紙があり、井上淳子さんの作品ということがわかります。伝統的工芸品の証紙も付属、経緯が苧麻糸(緯は手績み)・八重山藍・福木・椎・紅露(クール)であることも読み取れます。また、手織りであり、淡い色のため海さらしも行われているのではないでしょうか。
大変に爽やかな裂ですが、人頭税の貢布として細密な作品が作られたことが産地の染織を完成させたともされ、強い日差しとその落とす影の暗さの両面に歴史を持ちます。
白上布の異名をとるほどに白地の着尺の印象がありますが、帯については比較的様々な染料と楽しい柄を見せるのが八重山上布の一番の特徴。こちらはさざ波を模した「チミヌカータ」と市松(ジンダマの繰り返しかも?)をリズミカルに絣でおり出し、その縞の地に浮かび上がらせます。「刷込捺染」を琉球染織の中で唯一使うそうですが、その自由で繊細な柄の表現はその絣の仕事から生まれるものです。
組織をアップで見ると・・やはりその白い糸の効かせ方に筋が通った美しさを感じます。
シャリ感のある帯地はまさに琉球諸島の上布ならではのものですが、帯になるとその季節感はグッと広くなり、春から盛夏、寒々しく感じなくなる秋の頃までを通して活用いただけます。
年々産地での生産数は減少しており、手に入りにくくなっています。仕立て上がりリユースとして買い付けておりますが、ありがちな嫌なしわ感もなく、コレクションとしてお勧めできるコンディションです。
リユースならではのお値打ちな価格で入荷しております。丁寧に検品を行い、また、適切に仕上げをしてからお届けします。(万が一、お気に召さない場合は返品も承っております。安心保障:返品特約をご注文前にご確認下さい。)
| 商品の詳細
サイズ
幅31cm 長さ382cm(手 264cm たれ 118cm)
状態
証紙あり・目立つ着用感はなく状態は美品。