斉藤佳代子さん(国画会会友)の手掛けた夏帯です。
題は「風 透る夏」、生絹(すずし)と練絹を併用、吉野織で柄を織り出した作品です。
その名の通り、透け感のある夏帯地として手掛けられた作品です。(芯を変更して、単衣帯も対応できるとは思います)
2012年の独立以来、国展での入賞を重ねる実力派。また使いこなす技法は幅広く、着尺も帯も強烈なオリジナリティーと完成度を誇ります。毎回、国展の会場でこの方の作品を見るたびに、鮮烈な感動を受ける染織家です。
この帯地は、練らない糸で透け感を出す地と、練った糸で密度を上げた柄の部分に分けられますが、そのどちらも、控えめで上品な艶があり実に美しいです。
透明な中にしゅっとした線が折り重なり、吉野織の格子を浮かび上がらせる姿は、今までに見た事の無い世界観で目を楽しませてくれます。
「光注ぐ夏、爽やかな風が吹き抜ける情景をイメージしました」
とコメントが書かれていますが、それはイメージを超え、その場面全てを閉じ込めたような感覚すら受けます。一言で言うのは難しいのですが、単純な誉め言葉では足らない、素晴らしい帯です。
喜如嘉の芭蕉布や越後上布、宮古上布など、夏の染織作品と合わせるのはいかがでしょうか。
シンプルに静かに響く、美しい重なり。感性の豊かなあなたにも最大の満足を演出してくれること、間違いなしです。
硝子の帯留など、少しアレンジするのも良さそうですね。
サイズ:
反物幅36㎝ (通常370cm近辺でのお仕立てとなります)
状態:
新品
備考:
工房正規作品