現代美術家、あおきさとこさんに別注した九寸名古屋帯です。
上質な小千谷紬地を二度引き染め(紫を下に、濃墨を重ねました)した帯地に、金彩と銀彩を筒描きした作品です。紬や御召といった織のきもの、色無地や小紋に合う帯です。シンプルな紬の絵羽などにも良いかもしれません。
筒描きは友禅作品の仕上げにも使われる技法(剥がれることもなく、立体感や華やぎを付加できる)ですが、無限を感じさせる奥行きを繊細に描き出したこちらは、仕上げだけにはとどまらず、主役にふさわしい迫力のある技法に昇華されています。
あおきさんの心に鳴る音を描く「騒音」がテーマになっています。驚くべきは下書きを行わないこと。世界に一つとして同じものはなく、また、再制作はできません。
太鼓は中央に向けて密度を濃く、前は混んだ柄と空間をとった柄を描き分け、柄出しで楽しめるように。子供っぽくならないように「数羽の鳥」を柄に忍ばせて。和の伝統モチーフ「青海波」を柄のどこかに少し加えて・・と。細かい工夫も見逃せません。まさに所有する喜びのあるアート作品でもあります。
お仕立ての詳細とパールトーンのご希望は備考欄にご記載下さい。
店頭で実際にご覧になれます。(要事前予約)コーディネートやお仕立て、アフターケアについての相談はメールやLINEでも承ります。ご検討のお客様はお気軽にお問い合わせください。
あおきさんは自身の基本領域を「染色造形」としています。絵画的な平面作品・グラフィックデザイン・樹脂で立体に表現した染色布・・など、生み出す表現は極めて多彩。個展やグループ展での作品発表はもちろん、公募展でのグランプリ・入選なども現在進行系で多数。「どこまでも描ける」という一言に、強い想いを感じずにはいられません。